収入につながる「学び」の方法を具体的に説明!「一流の学び方―知識&スキルを最速で身につけ稼ぎにつなげる大人の勉強法」清水久三子 著

『「日常業務で学べること」をこなすだけでは、マズイな』と危機感を抱く人にオススメの本を紹介します。

一流の学び方です。

なぜこの本を読んだのか

社会人になって約1年が経つ。
始めは目前の仕事で精一杯だったが、最近は少し余裕ができた(ほんの少しだけど)

余裕ができると「自分の将来、キャリア」が気になってくる。

恥ずかしい話、学生時代は「就職=ゴール」と考えていた。
古き良き日本企業なので「入社して会社のレールに乗っていれば、年功序列で良い感じになるだろう」と。

しかし、入社して「会社の実態」を見て、考えが変わった。
階級が上がるほど、圧倒的に忙しくなっている。
流行りの働き方改革を推進しているが、どこまで導入されるかわからない。
そのため、「もしもの際、会社から脱出できるようになりたい。」という思いを抱くようになった。

だが、日常業務を言われたままこなすだけでは、弊社でのみ使えるスキルしか身につかない。

そこで「他の場所でも使えるスキル」を身につける方法を知りたくて一流の学び方を読んだ。

基本情報

どんな本か

学生時代は時間・労力を勉強に全力投入することができた。
しかし、仕事をしているとそうもいかない。

つまり、「学生の勉強」から「大人の勉強(アダルトラーニング)」へと勉強法を変える必要がある。

最短で効率よく、知識やスキルを身につける。
身につけた知識やスキルを、プロとして稼げるレベルまで高める。

そんな「アダルトラーニング」の考え方や具体的な方法を紹介している。

目次

  1. こうすればあなたの「学び」は失敗しない―ビジネスパーソンが身につけたい「大人の学習法」
  2. 「学び」を「稼ぎ」に変える4つのステップ―一流は何をどう学んでいるのか?
  3. 最速で効率よくキャッチアップする―基礎知識を素早く吸収するツール&メソッド
  4.  1日3冊のインプットを可能にする読書術―サーチ読み&パラレル読みをマスターする
  5. こうすればスキルや知識が「稼げる」レベルになる―応用力とオリジナリティを身につける
  6. 学びの効率&効果を高めるラーニングハック―私が実践しているちょっとしたコツ

効率的な一流の学び方

学びの4つの段階

学びには 4 つの段階があると考えています。それは、 ① 概念の理解、 ② 具体の理解、 ③ 体系の理解、 ④ 本質の理解 です。

「概念の理解」は「知っている」ということ。
その分野の専門用語や基礎知識がわかるレベル。

「具体の理解」は「やったことがある」ということ。
とりあえず基本プレイはできるけれど、学んだ範囲でしか対応できず、 応用が効かない。
参考とする人のやり方を見て「ここがいい」「ここはよくない」と、自分とその人の違いを認識したうえで、スキルを盗むステップ。

「体系の理解」は「できる」ということ。
実践する中で「これはこういうことか」と気づきを得ることで、本当の自信を獲得して次のステップに進む。

「本質の理解」は「他人に指導できる」こと。
書籍や人、実践経験から学習したことをすべて集大成して、 「つまり○○とは △ △ である」「結局、勘所はここ」ということを一言で言い表すことができる。

インプットだけでなく、アウトプットが大切

「概念の理解」「具体の理解」までは学生時代の受験の要領(インプットのみ)で達成できる。

しかし、その先(「体系の理解」「本質の理解」)は「学生の勉強」ではなく、「大人の勉強」(アウトプットを伴う学習)を使う必要がある。

要はそれまでインプットした内容をつかって、実際に行動に起こすのだ。

なぜ、インプットだけではダメなのか?

それは「体系の理解」「本質の理解」に到達しないと、バリューが出ないからだ。
「具体の理解(=やったことがある)」までは、他人との差別化が図れない。
なぜなら「誰に頼んでも同じ」レベルなので「あなたに頼む」必要がないから。
これでは、収入増にはつながらない。

インプットで挫折する人が多い

しかし、 「概念の理解」「具体の理解」まで頑張って、そこで挫折する人が多い。
つらい思いをして専門用語を覚え(概念の理解)、試行錯誤をしながら一度やってみた。(具体の理解)

そして「基本はわかったし、(書かれたままのことを)実行もできる。」「もう少し、しっかり学んでから実践で使おう。このレベルでは痛い目にあう。
このように、せっかく学んでも、場数を踏むことに躊躇し、学びを終えてしまう人が圧倒的に多いのだ。

未知のものを頭に叩き込む、インプットの段階が一番つらいのにもったいない……

「学び続けること」が求められる時代で大切なこと

「入社がゴール」と勘違いしていた理由

20歳前後までが公教育から一般教養を身につける時期だとすると、社会人となる20代は仕事に関わる知識を身につける学びの期間でした。

20代でさまざまなものを吸収し、30代でそれを実践して経験値を積み、40代、50代になると今度はマネジメントとしてそれらを生かす──これまでのライフサイクルモデルでは、このような考え方が一般的でした。

だから、多くの人が「学ぶのは若いうち」と思っているはずです。

学生の間「入社がゴール」と勘違いしていたのは、この考えが根底にあったから。
入社までは広くいろいろな知識を身に着け、会社にいる間はレールに乗っかっていればうまくいく。
まさに「これまでのライフサイクルモデル」だ。

しかし、これからは通用しないだろう。なぜなら、

  • 働く期間が長い(人生100年時代)
  • 技術革新のスピード上昇

このように「取り巻く環境」が変化しているからだ。

「何を学ぶのか」を間違えないための考え方

今までは「学ぶ時期」と「学んだことを活かす時期」が分離していたが、これからは長期間、2つを両立させる必要がある。

ここで、次のような懸念を指摘している。

変化のスピードが激しくなり、技術革新が進む中、学ぶべき事を誤ると、せっかく学んだものが、気がついたら陳腐化していたり、機械にその仕事を奪われたりする

まさにその通りだ。
忙しい中、せっかく学んだものが無意味になってはたまらない。
そうならないためには「何を学ぶのか」が非常に重要である。
だが、どの様な基準で考えれば良いのだろうか?
これに対して、次のように答えている。

何を学ぶかを考える際には「定型的な仕事に寄与する」知識やスキルより、「非定型的な仕事に寄与する」ものを学ぶことが、機械に仕事を奪われないという点で有利だと考えられます。

ちなみに、以前紹介した独学の技法でも「何を学ぶのか」が重要としていた。

また、未来に先回りする思考法では「マニュアル化可能な仕事はAIに取って代わられる」としていた。

学ぶ前に考えること

「何を学ぶのかが重要」と言いましたが、それ以前に決めることがあります。

まず、「何のために学ぶのか」「どんな自分になりたいのか」 を明確にして、「私はこういう仕事をして、こういう風になりたい」というキャリアビジョンを描きましょう。

そこから逆算して、学ぶべき知識やスキルを決定するのです。

いくら勉強しても、自身の目標に不要なものならば、単なる徒労に終わってしまいます。

また、キャリアビジョンを固め、必要な知識・スキルをはっきりさせることは、勉強を続けるモチベーションを保つのに大きく役立ちます。

アサインされた仕事とキャリアプランとが乖離している(ように思える)場合、どうすればいいのか。

その仕事をする、それを学ぶことが将来どう役立つのか、自分なりに意義付けをする必要があります。

仕事とキャリアプランとが乖離している(不本意な仕事をする)とき、キャリアプランだけが決まっていると「ムダな時間だ……」とモチベーションを保つのに苦労するでしょう。

しかし、なりたい自分像に必要な知識・スキルをはっきりさせていれば、不本意な仕事の中でも、「不本意な仕事だけど、◯◯は身につけられるな!」と自分なりに意義付けて、モチベーションを保つことができます。

「学びの楽しさ」についての記述が気に入ったので、引用して終わります。

断片的な知識や経験がつながり、ピタリと収まり、「ああ、そういうことだったんだ」という何かが見えてくる。その瞬間はまさに学びのクライマックスであり、次のステージの扉が見える瞬間でもあります。

まとめ

この本を読んだ目的

自身のキャリアを考える上で、「会社外のスキル」を身につける必要性を感じた。

その目的のために、役立ちそうだったから。

得られた知識

「何を学ぶか」を決める前にキャリアビジョン・プランについて考え、「そのために必要なスキルは何か」を明確にするのが大切。

その知識の何が面白いのか

キャリアプランから乖離した仕事も、きちんと準備をしていれば、自分のキャリアに役立てられること。

不満を言って腐るだけでは、何も得られない。

その知識にはどのような示唆や洞察があるか ?

キャリアのような大きな目標・大雑把な目標は分解して、小さな単位にしておくと理解しやすく、身の回りに現れた際に気づきやすい。

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